七宝ジュエリーのつくり方

先の七宝ネックレスに続き、七宝のヘアゴムを制作・お届けしました。
今日はその七宝焼の制作過程についてご紹介したいと思います。
よく「七宝って何?」「どうやってつくるの?」という質問をされるのですが、
言葉で説明してもなかなか伝わりにくいので、少々長くなりますが、写真とともにご説明しようと思います。

七宝焼とは、簡単に言うと金・銀・銅などの金属の上に釉薬を乗せて焼成したもので、金属の伝統技法のひとつです。
釉薬は鉱物を微粉末にしたものを水(とフノリ)でペースト状にして使います。それが窯の熱で溶けることでガラスのような光沢を生みます。
(Wikipedia参照)

「七宝焼」は日本での言い方で、海外では「エナメル」と言いますが、
一口に「七宝」と言っても、その中に様々な技法があり、また「エナメル」にもそれ独特の技法があって、まったく同じとは言えません。
技法については割愛しますが、同じ七宝とは思えないくらい様々な表現があります。

さて、肝心の制作過程です。
わたしがよく制作する技法で、リボン状の金属線で模様のアウトラインをつくる「有線七宝」という技法をご紹介します。
①まず、材料店で購入した粉末の釉薬を水で洗い、そのあとペースト状にします。
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②これがリボン線です。純銀でできています。
厚みは0.1mmほどで、幅が1.0mmくらいからあります。
ピンセットなどを使って、模様を形作っていきます。
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③形作ったリボン線を純銀の土台に乗せていきます。
このときに、七宝用の糊(フノリ)を使って仮留めし、透明な釉薬を軽く振って窯で焼き固定させます。
(横から見るとリボン線が立ち上がっているのが分かるでしょうか。)
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④ペースト状にした釉薬を乗せていきます。
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⑤全体に乗せたところです。
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もうひとつのデザインも同様に。
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すべて乗せ終えたらコヨリで水分を取ります。
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⑥しっかり乾かしたら窯に入れます。電気炉で800℃くらいで焼成します。
(夏場は相当暑いです!)
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⑦一度目の焼成が終わりました。
釉薬が沈んで低くなるので、リボン線の高さまで(だいたい3回くらい)④〜⑥を繰り返します。
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⑧窯から出したばかりは色がわからないくらい真っ赤ですが、冷えるときれいな色になります。
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⑨表面がでこぼこしているのでダイヤモンドのヤスリで磨いてもう一度窯に入れて表面に艶を出します。(つや消しの場合はヤスリで磨いたところで終了です。)
急な温度変化があると割れてしまうのでゆっくり冷ましていきます。
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*ちなみに、リボン線を仮留めせずに、釉薬を乗せたあとにそっと外すと輪郭がぼんやりして違った表情が出ます。これを「無線七宝」と言います。金魚の部分です。
七宝コンクールに出品した作品。
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いかがでしたでしょうか。
有線七宝は「立体ぬり絵」みたいなものだなとわたしは思っています。
一見簡単そうに見えてたくさんの工程がある七宝ですが、釉薬を乗せる作業が「ぬり絵」のようでとっても楽しくこの過程が好きでつい作りたくなるのです。

今回できた作品はこちら↓
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お花のようなデザインの方は釉薬をリボン線の枠にあえて収めず、ピンク色が周りにもぼんやりひろがっているように表現しました。
いつもGolden Syrup ジュエリーをオーダーしてくださる大切な先輩へお届けしました。

制作過程のご紹介に掲載させていただきました。いつもありがとうございます。
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by golden_syrup | 2014-08-04 17:03 | ゆびわのはなし  

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